ソナーは自船の前方向や横方向など、全周囲の魚群分布状況を探知表示する、言わば高性能な水平魚群探知機です。一般的な魚群探知機が自船直下の探知映像を表示するのに対し、ソナーでは横や斜め方向の魚群を自在に探知できるため、ソナーを活用することにより効率的な探索が実現でき、漁業やスポーツフィッシングにおいて有効に活用されています。
自船南方、約2キロ先に魚群反応。魚群の背後に瀬の反応が見えることから、瀬付き魚群と考えられる。
右の映像はソナーの基本画像となる水平表示モードです。画面の中心が自船位置となり、自船を表すマークから下方に伸びる細いラインは走行してきた自船跡を示しています。航跡はゆっくり左へ旋回し、ここまで取舵で進んできたことがわかります。表示の外側に大きく描かれた太い円は海底エコーです。この映像例では、超音波探知角(俯仰角)が21度になっており、深度の関係から海底映像が表示されています。自船の前方12時から1時方向に大きな魚群の反応が現れています。
ソナーは水平方向のみを探知するだけでなく、自船直下から左右方向の断面映像も表示します。海底から海面まで横方向の魚群を見るのに最適です。右の映像はソナーの断面画像です。画面上では上方の真ん中にあるマークのところが自船位置になります。
ここから超音波の発射角度を変えながら左舷側から右舷側へと探知しています。自船位置の左舷側12メートル付近に固まっている反応は表層魚群です。水深4〜6メートル付近を遊泳していることがわかります。下方に映っている細長い線は海底です。
2周波表示モードでは、高周波と低周波による探知映像を見比べながらの魚群探索が可能です。右の映像では、自船位置(画像円の中心)から4時と8時方向にやや大きな魚群の反応が表れ、11時方向にも小さな魚群の映像が映し出されています。2周波併記は、遠方の魚群を低周波で早期に発見し、ターゲットに接近してからは、高周波で捉えた映像で魚群の形状や動きを把握し、効率的な漁獲につなげることができます。
このソナー映像は3000mレンジで表示されている。円の中心が自船位置で、一番外側(メモリのある円)までが3000mとなる。自船の前方、2000mあたりに濃い赤で示すエコーは瀬の反応。その手前に、瀬につく魚群反応が現れている。また、自船右側には、並走する他船の反応も表示されているのがわかる。
自船となる中心から、下の方へ伸びる白い線は、自船の航跡を表しており、右へと旋回し、魚群反応の方向にコースを変えたのがわかる。
設定の異なる水平探知を同時に二つ併記できます。異なるレンジやティルトで探索することで、2台のソナー装備と同等の効果を発揮。
ソナー画面を同時に2つまで表示できます。2画面の探知を同時に行うだけでなく、それぞれ独立した設定が可能です。 画面は表示位置(左右)、サイズ(2種類)を自由に選択できます。漁法に合った位置画面に設定できます。
2周波表示モードでは、高周波と低周波による探知映像を見比べながらの魚群探索が可能です。右の映像では、自船位置(画像円の中心)から4時方向にやや大きな魚群の反応が表れ、10時方向にも魚群の映像が映し出されています。
網を巻いた直後に、魚群が網から逃げないように、網の底部分(環ワイヤー)を絞り込んだ時の反応例。見事に網内に魚群が入っているのがわかる。
見たい方向を指定することで、水平から自船直下までの90度を見ることができる垂直モードを2つまで併記できます。魚群の高さ方向の広がりや中心位置等が瞬時に分かり、投網判断に有効です。さらに、垂直2方位併記では、2つの魚群比較も同時にでき、非常に便利です。