ソナーの基礎知識
ソナーの構成

サーチライトソナーの機器構成

右図はサーチライトソナーの標準的な機器構成です。指示部、送受信装置、送受波器上下装置の3点で構成されています。
探知レンジ(15段切替)は、10~2400メートルまであり、1周波専用と2周波併記が存在します。
1周波用 : 60/80/150/180/240キロヘルツより1周波
2周波併記用 : 60/153, および、85/218キロヘルツの2周波搭載)

船底には、25センチまたは40センチストロークの上下格納式送受波器が取り付けられます。ストロークの長い上下装置のほうが、気泡などによる回り込みの影響が少ないとされています。

スキャニングソナーの機器構成

右図はスキャニングソナーの標準的な機器構成です。指示部、操作部、制御部、送受信装置、電源装置、送受波器上下装置などから構成されています。
スキャニングソナーは、送受波器上下装置が大型になり構成ユニットも多くなります。探知レンジは周波数や出力により異なりますが、水平最大5000メートルの探知が可能です。

スキャニングソナーの送受波器上下装置

漁場に向かう間は漁船の走行スピードが速いため、送受波器を出したまま走行すると、漂流物や魚にあたり、軸への損傷を生じたり、水の抵抗により船速が落ちて燃費が余分にかかるなどの負担がかかるため、漁場までの往復走行時には送受波器は格納しておきます。漁場へ到着してから送受波器を船底から下方へ出し、そこで初めて超音波を発射します。

送受波器上下装置は機種ごとに異なり、小型向けには、40/60センチメートルストロークのものから、大型用には、130/160センチメートルストロークのものまであります。

スキャニングソナーのセンサー部は、1000個ほどの振動子(センサー)からできています。それが水平方向、垂直方向に並べられ、360度方向に探知できるよう構成されており、そこから一度に全方向に向けて超音波を発射し、瞬時に海中からの反射波を受信します。海中から返ってきた信号は、縦横に並べられた多くの振動子を電子的に切り替えることにより、魚群までの距離や方向を知ることができます。
スキャニングソナーの基本的な動作は、タイマー回路でコントロールされており、順次振動子を切り替えて反射信号の方向を確認する動作になっています。